テラス・ウッドデッキ≒縁側というお話。広さや利便性ばかりを求め続ける建売プロジェクトに小さな縁側というスタイルから物語を作る住宅。その空間で何をするのか?何ができるのか?維持管理や耐久性は如何なものか?一つのアイテムを単純に住宅に付与するだけでなく、使い方から住まい手の人生の物語の一部を演出するサポートができるのが建売プロジェクトの面白い所です。そんな小話をブログに書いてみました。お時間のある方で奇特な方のお付き合いをお願いいたします。
http://www.hira-meki.com/blog/archives/1899
トップ画像は、「縁側ナビ」さんからの写真です。
建売プロジェクトにおいていつも課題となるのが、販売価格帯と外構予算そして全体感のバランス。なかなか難しい問題ですが、とにかくあまりコストをかけないで暮らしや日常を高めるアイディアは同業他社との差異を作ることができるし、購入者も改めて価格以上のメリットを感じることができるはず。無駄にしている小さな空間を上手く演出し、華美になり過ぎないバランスを作るのも重要なポイントと考えます。とにかくやり過ぎはダメなので、徹底して「そこそこ感」で全体を整えるのが難しいところです。でも建売プロジェクトにこんな小さな庭があると、季節感も知ることができるし、雨や風の天気も室内から知ることができる。簡易な庭に見えるけど住まい手にとっては自慢の庭とも成りうるので、ちょっとした空間は積極的に使っていくのが建売プロジェクトの差異を作る重要な戦略だと考えています。
今進んでいるプロジェクトの一部を紹介です。ちょっと面白い立地というか難題難問山積の場所ですが、是非分譲事業をされている様々な方に、土地利用の可能性としてご覧頂きたいと思います。もう普通の分譲をして美しい街並みというレベルを超越しています。この住宅を買う人は、住まい手としての生き方をある程度確立している家族が住まうはず。というか誰でも住める家ではなく、住まい手のスタイルと心意気がどうあるのか?という結構作るのも売るのも住むのも少なからず覚悟を決めなければならないのがいいんです。過去のプロジェクトを鑑みると、やはり少々破天荒なプロジェクトは住まい手が本当にこんな家を探していた!と即決してもらうことが多かった記憶があります。このプロジェクトもそんな気配がプンプンします。偶にはこんなプロジェクトも良いと思います。
http://www.hira-meki.com/blog/archives/1889
素材や色味そして緑のバランスを考えながら様々なディテールを組み合わせたりします。もう15年ぐらい前ですが、耐候性鋼いわゆるコールテン鋼を使ったウォールやサインを製作した事があります。当時は鋼材を屋外で無処理で使用する事例があまりないときでした。結果とし想定以上に錆が流れてしまい思った風合いを作り出すことができない苦い経験となりました。あれから塗装技術が向上し、錆や汚れなどの経年を風合いとして認知される時代となり、最近ではスチールを使ったデザインを少しずつ増やしています。分譲事業では、永遠に堅牢で美しい!という奇跡のような状態が望まれる事が多いので、この錆とか曲がるとかという行為があまり好きではない人も多いようですが、汚れたり割れたり、伸びたりと使う素材には何らかの色々な特性が必ずあり、それらを愛らしく思えるようにデザインへと昇華させるのが自分たちの役割だと思っています。
新しい施設がオープンしました。今年最初のプロジェクト完成です。
簡単にブログを書いてみましたので、どうぞお暇なときにお付き合いください。
http://www.hira-meki.com/blog/archives/1862
量産型の建売住宅は無意識のうちに全体を一つのテーマやコンセプトから全体の世界観を作り上げていく。これが普通で誰も何も疑いもせず世界中の街づくりの常識という感じであるが、それも一つの手法で間違いではない。ちょっと考え方を変えてみるのも面白いかなと思いながら、現在進行中のプロジェクトでは、街の中にある何らかのグループを作り、そのグループは一定のルールを持っているように考える。ゾーニングという大袈裟なものではなくて、もっと緩くそして伝わりやすいデザインテイストにしてみる。ビジュアルや美しさ、カッコよさが所有感を満たし、そのカッコよさ大切な機能として伝わる住宅地を作っていく。形や色をヘンテコに組み合わせるのではなく、やっぱり家のデザインは住まい手のアイデンティティであり、事業主から言えばブランド価値を高める商品としたいところ。小手先のエクステリアデザインや建物配置を自在に動かしたような単純なものではなく、良さを感じてもらえるようにデザインの耐久性を十分に考え抜き、自分の中のプロジェクトテーマをスーパーオリジナルという感じのプロジェクトが進行中である。ちなみに写真は本文と全く関係が無いです。