記憶に残る風景を作り、それらを長く維持管理するには様々な課題も多い。共有地という概念ではなくて、みんなの空間として、関わる人、そこを使う人、子供たちやその友達など色々な人が支えあって時間をかけて美しい空間を作り上げていくのが理想的でそんなプロジェクトを進めています。日常の風景ってすぐに忘れてしまいがちですが、風景と出来事がセットになることで強烈な記憶となって頭に残ることがあります。子供たちだけでなく、住まう全ての人、地域への風景の還元という考えのもと、記憶に残る風景を提供する不動産商品づくりは、すべての事業主が抱える宿命でもあると思っています。建物の機能や性能品質はある程度均一性があり、土地代を除けばその価格帯は平均的です。付帯工事としての外構という考えではなくて、地域への還元をより大きく考えることで街づくりへの理解や地域反響も大きくなっていくと思っています。
そこそこ感と攻める部分とがマッチすることがベストだとは思いますが、なかなか難しい。微細な素材、色は全体に与える印象は大きい。判断する材料としてコンセプトは重要で、安直な「かわいい」とか「おしゃれ」ということで決めるのは危険すぎる場合が多い。販売価格が高い安いは全く関係なくて、意味のあるコンセプトと判断材料を作ることで、同じ価格帯でも断然違う雰囲気を作り出すことができる。住宅を買おうとする人の殆どはパソコンや携帯でたった数枚の写真、たった数秒の閲覧だけで、印象付けるビジュアルや雰囲気を伝えないといけない。これがなかなか難しいけど、「いみのあるコンセプト」によって第一印象や完成度の高い不動産商品を作ることはできるはず。
街並みで使う緑の種類を厳選し、できる限り必要最小限の種類とシンボリックな樹木を使うことで、より引き立ち住まい手や地域の関心や注目度が高まる。本当は樹種や花の色は重要ではなくて、それぞれの暮らしの中のどこかで、一瞬でもいいのでシンボリックな街の木が見える瞬間を作ることで、より街感が強く出てくるはずです。