基本計画から実施設計さらには設計監理まで長期間に渡って関わってきたプロジェクトが先日の竣工検査を経て完成いたしました。施設としては完成したのですが、ハウスラボの位置づけがやはり従来の管理棟になってしまっているので、少しだけプラスアルファのコンセプト提案したいと思います。このハウスラボに充実した書籍が不可欠で、家のカタログや月刊誌以外に家に関する絵本、不動産に関する本や漫画、家をテーマにした映画やドラマ、音楽、家族や人に関する本、色に関する本、地域や風土などを紹介する本など、今の時代だとストレート過ぎる情報はすべてインターネットの情報で事足りてしまうので、それ以外の脱線した情報いわゆる少し無駄だと思えるようなことを知ることができる空間にしたいと考えています。今回のように設計以外の情報提供は建売プロジェクトにおいても同様で、様々な関与をHIRAMEKIでは行っていますので、何なりとお申し付けください。
量産型の建売住宅は無意識のうちに全体を一つのテーマやコンセプトから全体の世界観を作り上げていく。これが普通で誰も何も疑いもせず世界中の街づくりの常識という感じであるが、それも一つの手法で間違いではない。ちょっと考え方を変えてみるのも面白いかなと思いながら、現在進行中のプロジェクトでは、街の中にある何らかのグループを作り、そのグループは一定のルールを持っているように考える。ゾーニングという大袈裟なものではなくて、もっと緩くそして伝わりやすいデザインテイストにしてみる。ビジュアルや美しさ、カッコよさが所有感を満たし、そのカッコよさ大切な機能として伝わる住宅地を作っていく。形や色をヘンテコに組み合わせるのではなく、やっぱり家のデザインは住まい手のアイデンティティであり、事業主から言えばブランド価値を高める商品としたいところ。小手先のエクステリアデザインや建物配置を自在に動かしたような単純なものではなく、良さを感じてもらえるようにデザインの耐久性を十分に考え抜き、自分の中のプロジェクトテーマをスーパーオリジナルという感じのプロジェクトが進行中である。ちなみに写真は本文と全く関係が無いです。
テラス・ウッドデッキ≒縁側というお話。広さや利便性ばかりを求め続ける建売プロジェクトに小さな縁側というスタイルから物語を作る住宅。その空間で何をするのか?何ができるのか?維持管理や耐久性は如何なものか?一つのアイテムを単純に住宅に付与するだけでなく、使い方から住まい手の人生の物語の一部を演出するサポートができるのが建売プロジェクトの面白い所です。そんな小話をブログに書いてみました。お時間のある方で奇特な方のお付き合いをお願いいたします。
http://www.hira-meki.com/blog/archives/1899
トップ画像は、「縁側ナビ」さんからの写真です。
黒松やクスノキなど古くからある街並みに残された緑をあらゆる手法で自然に残し、大木の木陰に寄りそう住宅づくりがコンセプトです。枝葉や維持管理など様々なリスクを考えながら住宅づくりと環境づくり、まだ見ぬ住まい手の形を想像しながら、既存樹の価値を商品に活かすプロジェクトです。